外科

外科のご紹介

当院の外科では主に消化器系の臓器に関する病気や障害を中心に診断・治療を行っています。消化器系には、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆のう、膵臓などが含まれます。これらの臓器に関する手術を行い、以下のような疾患や状態を治療します: 
 
胃潰瘍や十二指腸潰瘍
消化器がん
胆石
ヘルニア
 
当院では内視鏡手術を行い患者さまの負担が少なく、回復期間が短くなり、術後の合併症リスクが低減を図っています。 

当院で行う手術について

腹腔(おなかの中)や胸腔(胸の中)などに小さな穴(径3~10mm)を数ヶ所開け、そこからカメラと小さな手術道具を入れ、モニターテレビを見ながら行う手術です。痛みが少なく、術後回復が早いので早期退院や社会復帰が可能になります。

内視鏡手術で手術可能な疾患

患者さまの負担軽減を考え、積極的に内視鏡外科手術を行います

手術器具の進歩、手術手技の習熟により内視鏡外科手術の適応疾患は年々広がり肺癌、食道癌、胃癌、大腸癌などの悪性腫瘍に対しても内視鏡外科手術が行われるようになってきています。当院でも胃癌、大腸癌に対して内視鏡外科手術を積極的に行っております。

 

 食道 食道裂孔ヘルニア
 胃・十二指腸 胃・十二指腸潰瘍穿孔、胃良性腫瘍、胃癌
 小腸・大腸 腸閉塞(癒着性・絞扼性)、良性大腸疾患(憩室症・大腸ポリープなど)、外傷性腸損傷、急性虫垂炎、大腸癌(早期・進行)
 肝臓 肝腫瘍、肝嚢胞
 胆道系 胆石症(急性胆嚢炎を含む)、総胆管結石、胆嚢ポリープ
 脾臓 脾摘出を要する血液疾患、脾腫瘍
 副腎 副腎腫瘍
 肺・縦隔 自然気胸
 その他 急性腹症(緊急手術を考慮すべき腹部疾患)
代表的な疾患

1.胆石症

胆内結石
肝臓で生成された胆汁がその肝臓内で固まったもの。

胆嚢結石
胆汁が、凝縮されて貯蔵される胆嚢内で固まったもの。

総胆管結石
十二指腸へ送られる胆汁が、総胆管内に溜まり固まったもの。

1.胆嚢結石症

胆嚢内にできた石は胆嚢が動くとその中で動きます。 
胆嚢の出口で石が詰まると激しい腹痛(みぞおりからやや右側に多い)が起こります。また結石が詰まった状態が続くと胆嚢に炎症が起こり急性胆嚢炎となります。 
 

腹腔鏡下胆嚢摘出術について

1.全身麻酔で行います

2.入院は3-4日間程度です

3.小さな傷跡が4ヶ所残るのみです。

手術の概要

炭酸ガスで腹腔内を膨らませて内視鏡で観察、細長い機器を手元で操作して胆嚢を切り取る

当院では2008年1月から2024年12月までの17年間で1460例の腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行しました。

2.総胆管結石

総胆管の石が胆汁の流れを妨げない場合は症状が現れないことがありますが、石が詰まり胆汁の流れが妨げられると右上腹部痛、黄疸、発熱などの症状が出てきます。

胆汁の流れが滞り、そこに細菌感染が加わると胆管炎という状態となり、敗血症など命にかかわる重篤な病気を引き起こし大変危険です。
総胆管に石が見つかった場合は無症状でも原則治療が必要です。

総胆管結石の治療

1) 一期的治療(胆嚢と総胆管の石を同時に治療する)

内視鏡外科手術で同時に総胆管結石を除去し胆嚢を摘出 ←当院の得意分野

胆嚢を切除、胆管を切開し胆道内視鏡を挿入、総胆管結石を除去したのちに切開部を縫って閉鎖します。

2) 二期的治療(胆嚢の石と総胆管の石を二回に分けて治療する)

第一ステップ

経口内視鏡で十二指腸乳頭部を切開し総胆管結石と取り出す
 

第二ステップ

後日あらためて全身麻酔下に胆嚢を手術で摘出する
以上の二通りがあります。

 

一期的治療の方が通算の治療期間が短く(1週間以内の入院)なり、1回で治療が完結するので、患者さんにとって負担が少ない治療といえます。

総胆管結石の手術を腹腔鏡下に行っている病院は限られていますが、喜馬病院では積極的に腹腔鏡下総胆管切石術を施行しております。この手術は難易度が高く、当院の日本内視鏡外科学会技術認定医は2名とも総胆管結石手術で認定審査を合格しました。

2022年は17例の腹腔鏡下総胆管切石術を施行しました。

2.鼠径部ヘルニア(脱腸)

鼠径ヘルニアとは、鼠径部(太ももの付け根)の筋膜にくぼみができて本来ならお腹の中にあるはずの腹部臓器の一部が腹膜をに包まれた状態で皮膚の下に出てきて膨らんでくる病気です。

一般的に「脱腸」と呼ばれています。

立った状態でおなかに力を入れると鼠径部が膨らみ、押し込むと元に戻ります

出たりへっこんだりするのが特徴です。

 成人の鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、治療には手術が必要です。

当院では術後の痛みが少なく、早期に社会復帰が可能な腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を行っています。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術にはTAPP法(transabdominal preperitoneal repair)とTEP法(totally extraperitoneal repair)があります。

いずれも小さな傷で腹腔鏡の観察下にヘルニアの原因となっている「くぼみ」にメッシュで「フタ」をして、修復する方法です。

TAPP法,TEP法ともにメッシュを置く場所は同じですが、到達方法が異なります。

TAPP法では腹腔内(おなかの中)から腹膜を切開してメッシュを置くのに対して、TEP法では腹膜を切らず、腹膜をめくるようにして外側からアプローチしてメッシュを置きます。TEP法は腹腔内の癒着に影響されることなく施行可能であり、腹膜縫合もないことから術後癒着も起こりにくいという特長があります。当院ではTEP法を採用しています。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術について

1.全身麻酔で行います
2.入院は原則1泊2日です。
3.小さな傷跡が3ヵ所残る程度です。

喜馬病院では2008年は2024年12月までの17年間で825件の手術を実施しました。

 

ヘルニアについてさらに詳しく知りたい方はこちらから    https://www.hernia.jp/

診療実績

スタッフ紹介

熊野 公束(くまの きみつか)

役職
理事長・院長
専門分野
消化器外科
資格
日本内視鏡外科学会 技術認定医・評議員
日本外科学会 指導医・専門医
日本消化器外科学会 指導医・専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

弓場 孝郁(ゆうば たかふみ)

役職
外科部長
専門分野
消化器外科
資格
日本内視鏡外科学会 技術認定医
日本外科学会 指導医・専門医
日本消化器外科学会 指導医・専門医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本消化器内視鏡学会 指導医・専門医
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